ウィルパワー、当時流行っていたポジティブな指向性を喚起させる為のヒーリング療法で、トッドラングレンも同じような作品を出していました。しかし、ジョージャクソンの場合は単なる癒しを求めるような内容にはなっていません。オーケストラ形態によるインストゥルメンタルな内容は、
プログレ ッシヴロックを思わせるスケールの大きさとダイナミズムを重ね持っています。
1. No Parasan
2. Solitude
3. Will Power
4. Nocturne
5. Symphony In One Movement
元々クラシックの教養を持っていた人でしたが、クラシックの作曲には限界を感じていたため、ロック界に入ってきた人です。そしてパンクからレゲエ、ラテンやジャズといったあらゆる
音楽 を吸収して行き、得た多くのものから改めてオーケストラ作品に取り組んだとした見方が妥当かと思います。ここにはクラシックなものはないのです。80年代の現代
音楽 として聴くべきでしょう。
No Parasanでのオーケストラヒットにしても、当時流行っていたトレヴァーホーンのサンプリングオケヒットよりも鋭利で迫力があります。録音状態も見事なものなのです。音の配列も従来のオーケストラでは考えられないような構成になっています。かといってサントラのような悠長な内容でもありません。ジョージャクソン特有の緊張感が漲っています。
名作body&soulからこだわっている録音方法もさらに進化しているように感じます。しかし、
プログレ ファンの私ですから、この作品は気に入りましたが、ロックミュージシャンとして聴いていたファンにとっては、この作品はどうなのでしょうか。アルバムごとに違う事をやってきたジョージャクソンをどこまで理解していたかによって、このアルバムの評価も分かれてくると思います。でも純粋にこのアルバムに収められた音を感じ取れば、ただものではない存在感を持った
音楽 を体感出来る事でしょう。見事な作品です。
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