

75年の作品です。サザンロックたろうとしていますが、スレイドなどのようなグラムロックになっています。もうグラムロックも廃れてきていた時期ですが、当時のイギリスではグラムロックは歌謡曲みたいなもので、庶民的な
音楽でした。ハードロックやプログレは雲の上の
音楽であり、アマチュアミュージシャンには真似しにくいものでしたが、グラムロックは真似し易かったのです。ですからまずグラムロックをコピーするのです。
1. Little Lady
2. Most Of The Time
3. I Saw The Light
4. Over And Done
5. Nightride
6. Down Down
7. Broken Man
8. What To Do
9. Where I Am
10. Bye Bye Johnny
グラムロックをコピーしていたバンドがパンクの波に乗っかってイギリス独特のパンクロックが生まれていきます。ですからアメリカで発生した本来のパンクロック、テレビジョンのようなスタイルとは違う曲調が主流になって、いまやそれがパンクの基本みたいになっています。このバンドもグラムロックにでもパンクバンドにでもなれる要素を持っていましたが、サザンロックを手本としながらも、アイドルグループだった事もあり、ポップな曲調も取り入れてサザンロックとは言えないパワーポップブギバンドとなっています。
この彼ら独特のスタイルが前作から確立されて、このアルバムは一番彼らのイメージに近いサウンドとして完成されています。疾走感のあるブギスタイルはワンパターンにも感じてしまいますが、ポップソングなアレンジによって単純でありながらも工夫された曲調になっています。このシンプルさが若者に受けていたのでしょう。どのブームにも乗っかっていないので日本では地味な扱いですが、これが売れると言うイギリスのお国柄は独自の文化感覚があると思います。
Little Lady