

76年の作品です。プロデューサーに元エドガーウィンターグループのDan Hartmanを起用して、よりアメリカンハードロック色に磨きをかけています。Dan Hartmanはエドガーウィンターグループ時代からポップなアメリカンハードロックを作曲したりしていますので、このフォガットの路線には適していると思います。そして出来上がったのはポップで爽やかでありながらもパワフルでタイトなアルバムとなりました。
1. Drivin' Wheel
2. Don't Run Me Down
3. Burnin' The Midnight Oil
4. Night Shift
5. Hot Shot Love
6. Take Me To The River
7. I'll Be Standing By
オープニングのスライドギターによるフィードバックもDan Hartmanのアイデアでしょうか、この導入で一気にアルバムへの集中力が増してきます。そして繰り広げられるのは疾走感のあるブギと幾重にも構成されたハードロックたる重層なアンサンブルです。もはやスタンダードになっているTake Me to the Riverのカバーもフォガットらしさが出ています。リバーブの掛け方は深過ぎてはいませんが、バンドサウンドをより豪華に響かせます。このバンドの最高傑作と呼んで差し支えないでしょう。
前作ほどにヒットには至っていませんが、作品としての完成度はこちらの方が高いです。サザンロックのような南部のアメリカンロックではなく、ウェストコーストの都会的なアメリカンハードロック作品になっています。ブリティッシュにはない鮮やかさとアメリカンロックにしては重過ぎるハードエッジという絶妙のサウンドメイキングはDan Hartmanマジックと言えるでしょう。正に蜜月的な組み合わせによる結晶です。素晴らしい名盤です。
Drivin' Wheel