86年の作品です。80年代はアフリカ
音楽が流行りますが、サイケブームの再燃もありました。世界の
音楽が楽しまれるようになり、ワールドミュージックというカテゴリーが確立されます。その中でもインド
音楽はシャンカールの功績により、他の国の
音楽よりも先んじていました。この頃には今更インド
音楽でもあるまいとすら思われていました。そうした中、彼はインド
音楽の流布というより、新しい時代におけるインド音楽の在り方について考えていたのではないでしょうか。
1. Raga Puriya-Kalyan
2. Raga Purvi-Kalyan
3. Dhun Man Pasand
インド音楽というより、シタール奏者としての自分の表現に磨きをかけて、より円熟した演奏を展開しています。ジョージハリソンもソロアルバムではインド音楽をやらなくなっています。時代はリズム重視の時代になっています。そこでシタールだけの演奏による作品を創り上げている彼にとっては、もはや世界の流行も関係なくなっているようになっていると思います。
かなり奥深いインド音楽の世界、それは自分自身と向き合う事で更なる深みに入り込む修行のようなものではないでしょうか。ラヴィシャンカールと言う名前は定着しましたが、この時代には忘れ去られているほどでした。そういう環境であっても、人生をかけて音楽への追求、求道心は貫かれていい来ます。演奏テクニックもかなり進化しています。表現力も増しています。静かに、しかし着実に進化しています。
Raga Puriya-Kalyan