

75年のセカンドアルバムです。デビュー当時には既に絶大な人気となっていた為に、急遽デビューアルバムと同じ年にリリースされました。その為カバー曲が多いのですが、それも彼らの本領の内であります。中にはMick GreenやNick Loweと競作した曲もあり、パブロック同士が仲良かった事が伺えます。邦題は不正療法であり、お医者さん扱いされていますが、Dr. Feelgoodというバンド名はヘロインとか、薬を違法に処方してくれる医者のスラングであります。
1. I Can Tell
2. Going Back Home
3. Back in the Night
4. Another Man
5. Rolling and Tumbling
6. Don't Let Your Daddy Know
7. Watch Your Step
8. Don't You Just Know It
9. Riot In Cell Block No.9
10. Because You're Mine
11. You Shouldn't Call The Doctor
パンク以降では当たり前になっているWilko Johnsonのギター奏法ですが、当時では結構斬新なものだったと思います。ギターソロでも和音で演奏しているので、3音ないし6音、つまりソロなのにギターを3弦からコードストロークのように演奏しながらロックンロールスタイルのソロをとります。単音でメロディーを演奏するよりもギターが達者じゃない印象をパンクからは受けますが、ウィルコの場合はそれを逆に武器にしています。キースリチャードスタイルと言ってしまえばそれまでですが、キースの間のとり方をしないのが特長です。
このスタイルは80年代以降の日本のインディーズでも影響があり、ストリートスライダーズからミッシェルガンエレファント辺りのバンドにその影響が見受けられます。つまりパブロックは後のインディーズバンドに多大な影響を与えているのです。演奏テクニックが無くてもセンスで突き通してしまうやり方はグラムロックからのものであり、これこそが演奏を覚えたての若者に大いに指示されていきます。ただし、ここまでカッコ良く演奏出来るのは選ばれしものだけです。
I Can Tell