

81年のアルバムです。デオダードのプロデュースは続いていて、キーボードまで演奏しています。80年代サウンドは定着し始めていて、彼らのサウンドは正に80年代そのものでした。パンクの狂騒は終演し、産業ロックと呼ばれるようなロックで金を儲けるシステムが肥大化し始めていました。MTVはお茶の間にヒット曲をマインドコントロールのように垂れ流しして、70年代にロックをうるさい
音楽だと思っていた人達にも親しめました。
1. Steppin' Out
2. Good Time Tonight
3. Take My Heart
4. Be My Lady
5. Get Down On It
6. Pass It On
7. Stand Up And Sing
8. No Show
9. Stop!
踊って、酒飲んで、女をお持ち帰りしようぜ、みたいな曲ばかりです。当時のアメリカのバブルを象徴するような
音楽です。日本ではしばらくして同じような状況になっていきますが、こうした
音楽は既に流行っていました。アメリカでは有線テレビにより24時間ロックのPVだけを放送する専用チャンネルが生まれ、それはラジオのようにヘヴィロテでかけられる曲は売れると言う仕組みでもあり、利害関係もあったと思いますが、それでも選択肢が増えた事でリスナーの趣向も多方面に渡るようになります。
Take My Heart、Get Down On It、Steppin' Outとシングルヒットを飛ばし、
ファンクバンドからブラコングループに変身した彼らは全盛期に入ります。ただし、同時に売れている作品は沢山ありますので、ナンバーワンヒットになった曲は一つもありません。それだけ競争が激しかったのです。イギリスよりも人口が多いアメリカで売れると言う事はビッグマネーを生み出しますので、イギリスのミュージシャンも不況な自国よりもアメリカで売れる
音楽を作るようになっていきます。革新的な
音楽が生まれる一方で、軟弱化した
音楽が氾濫していたのが80年代です。それを象徴するような作品です。
Steppin' Out