ピエール・シェフェールはもう一人の
現代音楽の巨匠ピエール・アンリと意気投合してミュージック・コンクレート研究グループを設立し、二人のコラボレート作品を多く残しています。これもその一つで邦題は一人の男のための交響曲です。既存の楽器を使わない作品を出していましたが、ここでは既存の楽器も人の声や歌声も使われています。しかし、それらは録音されたものであり、楽器を演奏している訳ではありません。
1. Symphonie Pour Un Homme Seul
2. Le Voyage
現代音楽は楽譜として残せるものもありますが、そのほとんどが五線譜上には書ききれないものになっています。その多くが発明のようにひらめいたアイデアに基づいて、音階などの既成概念にとらわれない表現が成されます。楽器ではない音も
音楽の一つとして捉えています。それらを録音したテープを繋ぎあわせるカットアップの手法で制作されているのがこの作品です。ある程度の意図は持っていますが、テープを繋ぎあわせて生まれる偶然性も必然と見なして曲にしています。
ロック界に最初に
現代音楽と言うものを広めたのはオノヨーコだと思います。ビートルズのホワイトアルバムのレボリューションNo.9はコンクリートミュージックになっています。オノヨーコはジョンレノンと出会う前は前衛芸術家でしたので、それらの手法をジョンに手ほどきしたら、新しいアイデアが生まれていったのです。その元祖がこれらの作品になります。電子楽器も使いますし、レコーダーで遊ぶように創られています。現在の録音技術の常識は当時はまだタブーな時代であり、それらを切り開いていったのがピエール・シェフェールとピエール・アンリです。
Symphonie Pour Un Homme Seul
Le Voyage - Part 6: The Coupling
Le Voyage 9 Divinités paisibles
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