ピエール・シェフェールはやがてピエール・アンリとは意見が分かれて、別行動を録るようになります。これはBernard Durrとのコラボレート作品で、75年に発表されました。もうロックが成熟している時期の作品です。彼らが行っているのは電子
音楽です。90年代にテクノ界でも流行りますが、その元祖的な作品です。エレクトロってやつですね。こうした作品をもっとポップにしたのがクラフトワークらによるテクノポップの誕生に繋がっていきます。
1. Peu Banal (Impromptu)
2. Plus Banal (Étude Plutôt Dynamique)
3. Étude Plutôt Harmonique
4. Étude Plutôt Mélodique
5. Toccata Et Fugue
6. Baroque (Interlude)
7. Strette
シンセサイザーを使って創られた電子音、ジョージハリソンの電子
音楽の世界と言うアルバムが先にありましたが、それに近いものです。ジョージハリソンの作品はまだシンセを使いこなせない人が適当に弾いたものを録音したものでした。この作品では、シンセサイザーを使いこなしている人の音になっています。あえて既存の楽器のような音にはせずにシンセサイザー特有の波形からうまれる不思議な音を使っています。
リボンによってグリッサンドするアタッチメントも使っています。テルミンのような効果が生み出せます。90年代に出てくるエレクトロニカの音は既にここで生み出されています。録音環境が無かった時代は楽譜に残す事にこだわっていましたが、録音技術が生まれると、楽譜に書く事にこだわらない
音楽が生まれていきました。それはとてもアナーキーな
音楽なのです。
Peu Banal (Impromptu)