

97年の作品です。70年代以降はロックと接近していましたが、90年代になるとサンプリングミュージックのルーツ的な存在として再評価される事になり、彼もサンプラーを使った便利な作業により、よりアイデアを具現化させた作品を創るようになっています。便利な時代になっているだけに、アイデアと音の素材が作品を左右していく事になります。テクノ界でも優れた作品は出ていますが、アンリの脳みそはもっと上をいっています。
1. La Terre
2. Premonition
3. Conflit
4. Etranglement
5. Chatiment
6. Enfer
7. Automne
8. Renaissance
9. Depart
10. Formation
11. Agitation
12. Paysage
13. Respiration
14. Etouffement
15. Ciel
アンビエントのように残響音の美しさを追求している訳でもありません。全ては偶然性から発する音であり、それを羅列する事で生まれる必然性を作品にしています。例えば、インドの数学者は数式の美しさを追求して、理論付けは後からつけていくという感覚的な作業を行います。アンリ達もその作業に似ています。感覚的に創った
音楽に後から意味を持たせたり、もしくは聴く人の感性に委ねる作業なのです。
誰も聴かなければ鉄くずのような
音楽でありましょう。しかし、彼らの作品から新しい発想の
音楽を生み出すフォロワーがいる限り、ここにある音は意味があるのです。少数派を喚起させる事で、多数派を巻き込むムーヴメントに発展したのが90年代です。90年代は
現代音楽がやっと商業的なものになり始める事が出来た時期だったと思います。テープ編集じゃなくなっても昔と変わらないくらい切れています。
Machine Danse
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