48年の作品で、プリペアド・ピアノの為に書かれたソナタとインターリュードです。プリペアド・ピアノというのは、グランドピアノの88音のうち45音の弦に物を挟んでピアノらしからぬ音を出させるもので、ケージは挟む物まで指定しています。ボルトの大中小、ねじ、ナット、プラスティック、ゴム、消しゴムをしての音程の弦に挟みます。金属だと高い音、ゴム系だとミュートのような打楽器風の音になります。
1. Sonata I
2. Sonata II
3. Sonata III
4. Sonata IV
5. First Interlude
6. Sonata V
7. Sonata VI
8. Sonata VII
9. Sonata VIII
10. Second Interlude
11. Third Interlude
12. Sonata IX
13. Sonata X
14. Sonata XI
15. Sonata XII
16. Fourth Interlude
17. Sonata XIII
18. Sonata XIV and XV
19. Sonata XVI
これも残響音を大事に録音されているので、シンセサイザーで創った音のようだったり、1台のピアノから様々な音をコントロールさせています。16曲の「ソナタ」と4曲の「インターリュード」の全20曲から成りたっていて、打楽器と鍵盤楽器が同時になっているような効果をもたらしています。鍵盤といっても鉄筋や民族
音楽の楽器みたいな音です。この作品にブーレーズが感銘を受けて仲良くなっていきます。
物を挟む事で音程も変わっています。イレギュラーチューニングしたギターのようです。その音階から民族
音楽のような旋律が生まれています。これは偶然性で生まれた音階と言う事になります。ケージは挟む物を特定の場所に指定しているだけで、楽譜もあらかじめ書いていますが、演奏された
音楽は偶然性を持って生まれ変わっていると言う寸法です。フレージングはテクノ的なシーケンスの連続になっていて、シンセサイザーで創ったような
音楽に聴こえます。初期の頃の代表作であります。
Sonatas and Interludes 1