89年のピアノ曲です。複雑なアンサンブル作品が多くなっていたのですが、グラス自身がソロ楽器の演奏を楽しむようになり、ピアノだけの作品を創ろうと言う気分にないます。演奏も彼自身、作曲者が演奏する事で、一人旅に出かけたような気分になれるという趣旨のものです。
1. Metamorphosis: Metamorphosis One
2. Metamorphosis: Metamorphosis Two
3. Metamorphosis: Metamorphosis Three
4. Metamorphosis: Metamorphosis Four
5. Metamorphosis: Metamorphosis Five
6. Metamorphosis: Mad Rush
7. Metamorphosis: Wichita Sutra Vortex
ミニマルと言えるような反復もありますが、
ミニマルと言えないほど変化のある
音楽です。そして驚くほどパッセージが速いです。速いアルペジオを濁さずに弾ききるグラスも演奏家として素晴らしいと思いますが、流れが水の流れるように演奏されていて、これを打ち込みで再現するのは一苦労するくらいアクセントや強弱、速度がたゆまなく変化しています。
これは
現代音楽という類いのものではなく、リックウェイクマンのニューエイジ作品のような雰囲気を持っています。右手でアルペジオを弾いていますが、これが恐ろしく速い。そしてベース音を弾いていた左手もいつしかアルペジオになって、右と左のアンサンブルが完結するような事の繰り返しですが、音を追っていないとまるで四本手があるように聴こえます。しかし、この曲のタイトルはソロピアノなのです。一台のピアノで、一人の演奏者による
音楽なのです。
Solo Piano
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