

2009年の作品で、クリスマスアルバムになっています。Hell's BellsとJesus Mariaだけが彼女のオリジナルで、後は、トラディショナルやポップスからのカバーになっています。クリスマスソングをジャズで演奏するというのも今となっては珍しいものですが、ビートルズが出てくる前の時代ではジャズシンガーがクリスマスソングをよく歌っていました。それらとは異質な感じで、カーラらしいアレンジが光ります。
1. O Tannenbaum
2. Away In A Manger
3. The Christmas Song
4. Ring Christmas Bells
5. God Rest Ye Merry Gentlemen Part One, Part two
6. It Came Upon A Midnight Clear
7. Hell's Bells
8. Jesus Maria
9. Jingle Bells
10. O Holy Night
11. Joy To The World
ジャズ的であったり、印象派のようであったり、実に優雅で美しい
音楽になっています。日本のようなお祭り感覚のクリスマスではなく、もっと静粛な感じのクリスマスの為の
音楽になっています。こういう作品を創るようになると、もう晩年に入ったなと思ってしまいますが、楽器の選択、配分、どれをとっても彼女ならではのセンスに満ちたアレンジになっています。
黒人のミュージシャンだったら、もっと陽気に演奏していたでしょうが、彼女にとってのジャズはもっと頭脳的な感覚がありますので、これもクールジャズ的な雰囲気を持っています。どこまでも磨き抜かれたクリスタルガラスのような輝きと神聖さを持っています。繊細なまでにコントロールの行き届いた演奏は頭脳派ジャズならではの洗練された
音楽となっています。
O Tannenbaum