スティーヴィーワンダーが天才である事を、まざまざと魅せつけたのがこの3部作のラストを飾るFulfillingness' First Finaleです。このアルバム制作前に事故に合いセイシを彷徨った経験も影響しているのでしょうが、最後を飾るに相応しい名作となりました。これまでのどのアルバムより統一感があり、最後まで聴き終わるまでに幾重もの高揚と幸福感、そして感動とともに聴き続けたくなる名盤中の名盤です。
1. Smile Please 2. Heaven Is 10 Zillion Light Years Away 3. Too Shy to Say 4. Boogie on Reggae Woman 5. Creepin' 6. You Haven't Done Nothin' 7. It Ain't No Use 8. They Won't Go When I Go 9. Bird of Beauty 10. Please Don't Go
参加ミュージシャンも豪華でポール・アンカ、ミニー・リパートン、そしてYou Haven't Done Nothin'では朋友ジャクソン5も参加しております。特にのボサノヴァ調のSmile Pleaseから始まり、感動のHeaven Is 10 Zillion Light Years Awayはゴスペル調のコーラスが心地良いです。切ないほど美しいToo Shy to Say、この頃から十八番としているシンセベースがブンブン唸るBoogie on Reggae Womanもヒットしました。手弾きでここまでリズム感を持ったベースフレーズを弾けるというのもスティーヴィーの強みの一つです。
You Haven't Done Nothin'でのファンクドゥワップも強烈な個性です。It Ain't No Useはエレピも美しい名曲です。ミッシェルポルナレフのようなフレンチバラード風They Won't Go When I Goでは涙ぐんでしまいます。全ての曲が感動ものなのです。一つも無駄がありません。そして大円団のPlease Don't Goに至る頃には至福の境地に登り詰めます。これほど心地良く感動の連続で幸せなるオルガズムスに至れる名盤は他には見当たらないのではないでしょうか。心までも愛撫されるような珠玉の名曲の連続、何度でも逝けます。気のいい天才がもたらした最高の贈り物です。