74年のアルバムです。プロデュースはBill Szymczykに定着しています。ファンキーな要素とブルースロックがバランスよくミックスされたアメリカンハードロックになっています。初期を代表する名作です。この時期はストレートなハードロックよりも少し変化のあるスタイルが多く出てきており、ソウルミュージックの要素、A.O.R.になりかけの時期ですから、アメリカではこのスタイルが新しかったのですが、それをハードロックとして表現している所がカッコいいのです。
1. Detroit Breakdown
2. Givin' It All Up
3. Must Of Got Lost
4. Look Me In The Eye
5. Nightmares
6. Stoop Down #39
7. I'll Be Coming Home
8. Funky Judge
9. Gettin' Out
シングルカットされたMust Of Got Lostが大ヒットして、アルバムもこれまでの最高の売り上げをあげました。日本ではまだ地味な存在でしたが、アメリカでは絶大な人気を獲得するようになりました。ライブステージでのパフォーマンスは最初から定評がありましたが、作品の完成度も上がってきたら鬼に金棒です。下手にポップを意識せずに、ハードなままでポップになっています。ここに彼らならではのスタイルが確立されたと言っても良いです。
最初はむさい男達でしたが、この頃になるとファンション面も様になってきてルックスも伴うバンドになり、第二期ハードロックブームに先駆けて時代を暖めてきました。ツェッペリンもファンクを取り入れるようになり、ファンクにロックファンも注目し始めたのもこの頃で、すぐにはブームにはなりませんでしたが、70年代ファンクロックは黎明期でありながらも素晴らしい名曲が沢山誕生してきています。その基礎を創ってきたバンドだとも言えるJ. Geils Bandの名盤です。
Detroit Breakdown