93年のアルバムでMike Chapmanがプロデュースしています。ハードロック色が蘇っています。ソリッドなロックアレンジは初心に帰ったような潔ささえ感じさせます。オルタナに対抗している訳でもなく、あくまでもオールドウェイヴとしてのハードロックなのです。ですから時代にはあっていませんが、こちらの方がカッコいいです。オルタナは音圧だけで曲自体は良いものは少ないですから、断然こちらの方が
音楽的にも優れていると思います。
1. Angry
2. Tryin' To Walk A Straight Line
3. Rhythm/(A Bridge So Far)
4. Hercules
5. Lovin' You Ain't So Hard
6. Time Bomb
7. Stranger To Myself
8. The Girl's All Right
9. Break Down
10. Not A Color
11. Mind-Machine
12. Shocked Straight
Mike Chapmanのサウンドメイキングも的確で、意表をついてアナログシンセによるソロが出てきたり、オーケストラのようなシンセサウンドは明らかに80年代のものとは違っています。そうした工夫も凝らしながらもソリッドなハードロックとして成り立っていると言う、これこそがBilly Squierの凄い所で、その魅力を久々に全開にした名盤に仕上がっています。サイケ的なお遊びをする余裕すらあります。
売れなくなっても全く創作意欲は失われていません。昔みたいに枠からは見出したような存在感は無くなっていますが、程よく歳を取って程よい塩梅が出せるミュージシャンに成長しています。アルバムがリリースされた事すら知られていないようなアルバムですが、これまでの作品の中では一番完成度が高いです。Mike Chapmanの功績でありましょう。アメリカンロックの中でもかなり質の高いアルバムだと思います。名盤です。
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