

84年のアルバムです。テクノ、ニューウェイヴの手法を取り入れた80年代サウンドでありながらもポップな
プログレ作品に仕上げています。Getting Strangerなんて80年代ポップスとしてシングルヒットしてもおかしくない出来映えであり、これまでの作品の中では一番売れていますが、Roger Gloverのイメージとは違うサウンドなので、売れ方は地味です。
1. Divided World
2. Getting Stranger
3. The Mask
4. Fake It
5. Dancin’ Again
6. (You're So) Remote
7. Hip Level
8. Don't Look Down
何でも器用にこなす才能、センスは抜群であり、80年代の手法を取り入れながらも、きちんと心に残るような気配りで曲が編み込まれています。エスニックな要素もポップに洗練させています。
音楽的センスはイーノに近いものがあると思います。隠れカンタベリーなのかもしれません。ベーシストとしてチョッパーもやっていますね。当時の流行りのサウンドをしっかり使いながらも、やるべき事をしっかりやっているので、単に流行に踊らされているような作品とは違います。
80年代ポップスをパロディーにしたようなしたたかさを感じます。MTV用のPVも創っているので、本人としては売れたかったのだと思いますが、パープルファミリーはみんなハードロックをやっているので、一人だけ、こんなポップな作品を創ってもファンは見向きもしません。新しいファンは獲得出来るだけの内容になっていますが、メジャーヒットさせるような戦略もなかったようです。しかし、80年代においては数少ないセンスの良い作品であります。
Divided World