90年のアルバムです。サウンドは80年代のままに売れる前の内向的な世界に戻ってしまいました。そうなると必然的に売り上げも落ちてきます。もう売れるよりも自分の世界の構築に専念したかったのでしょう。音はしっかり売れる音を出しているのですが、どこか暗い感じがします。しかし、昔からのファンにとっては、これこそが彼らしい作品だと感じるはずです。元に戻ったのです。
1. You'll Keep On Searching
2. Every Day (Oh Lord)
3. One And Only Man
4. I Will Be Here
5. Another Deal Goes Down
6. Running On
7. Come Out And Dance
8. In The Light Of Day
軽めの表現の方が売れる事は実感していた事でしょうが、もう充分売れたのでやりたいようになりたくなるのが正常な状態だと思います。そういうミュージシャンの方が信用出来ます。見せかけの、小手先だけのやり方で売れても、本当のロックファンはついていけません。本当に才能がある人だけに、80年代は売れていても、実力以下の事しかやっていなかったというのが正直な感想です。本当はもっと凄い人なのです。
旧友のJim Capaldiとの共作があったり、彼自身ももっと創造的な事を楽しみたくなったのでありましょう。80年代に比べると暗い感じがしますが、こうした屈折した部分があってこそのブリティッシュロックのミュージシャンらしさだと思います。イギリスのミュージシャンは変態だからこそ面白いのです。これはアメリカンロックが好きな人には理解出来ないものかもしれません。
You'll Keep On Searching
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