

84年のアルバムです。インディーズの異端児がブレイクするきっかけになった作品です。ベースにSimon Raymondeが加わり、再び三人組になりました。サウンドはよりトラッドサイケで幻想的になり、アコースティックなサウンドにノイジーな演出が加わると言ったダイナミックなサウンドになっています。一番大きいのはElizabeth Fraserによるスキャットを使った、まるで楽器のようなボイスオーケストレーションであります。エンヤよりも先駆けとなっています。
1. Ivo
2. Lorelei
3. Beatrix
4. Persephone
5. Pandora
6. Amelia
7. Aloysius
8. Cicely
9. Otterley
10. Donimo
声のキャラクターを複数持っているので、その声質を活かしたコーラスワークは、ケイトブッシュが先駆者ですが、後に登場してくるエンヤに大きなヒントを与えるような完成度であります。ドラムマシーンもゲイトリバーブをかける事により、生ドラムにゲートリバーブをかけるのと大差ないサウンドになっています。ギリシャ神話を元にしたストーリー展開を幻想的に表現しています。
ネオサイケとも違う幻想的なスタイルは幽玄なトラッドの森に迷い込んだかのようであり、妖精のような歌声が囁き合う独特の世界観を創り出してます。イギリスでは大ヒットしましたが、世界的にはメジャーになりきれていません。それでも彼らの存在感は世界中に広まりました。前作ではポップになりそうな予感もありましたが、ポップフィールドに足を踏み入れる事無く、自分達のスタイルで完成度の高い作品を生み出しました。歴史的な名盤です。
Ivo