イギリスではブルーアイド
ソウルのリバイヴァルが盛んになり、ポールヤングやカルチャークラブなどがヒットを飛ばしておりました。アメリカではというと、マイケルジャクソン、マドンナそしてこのプリンスが3巨頭として存在していきます。
ソウルではなく、ブラックコンテンポラリーの延長線上に位置するものですが、マイケルとプリンスはブラックミュージックとロックの垣根を取っ払った存在として非常に重要な役目を果たします。前述の通りマイケルとマドンナは紹介しませんので、プリンスだけ紹介させていただきます。
1. For You
2. In Love
3. Soft and Wet
4. Crazy You
5. Just as Long as We're Together
6. Baby
7. My Love Is Forever
8. So Blue
9. I'm Yours
白人のロック側の人間が
ソウルに近づいていったのに対して、プリンスは黒人側からロックに接近していったアプローチを見せます。P-FUNKのように黒人側からロックをやると癖のある
音楽になってしまいますが、プリンスは黒人というより彼個人としての癖が強い
音楽を表現します。それが受け入れられたのでヒットしたのですが、このファーストアルバムではまだロック色は無く、ブラックコンテンポラリーの優秀な作品の一つとして存在しています。
弱冠17歳のプリンスはワーナー相手にデモテープを持ち込み、レコーディングや作曲全て一人でやり、プロデュース迄あるという事で契約を取り付けます。それは前代未聞の事で、それまではトッドラングレンやスティーヴィーワンダーがワンマンプロデュースレコーディングをやっていましたが、まだデビューしていない新人に任せるという事は相当な賭けだった事でしょう。しかし、創られた
音楽はその期待に見事に応える素晴らしい出来映えでした。
スライ&ザファミリーストーンやパーラメントに影響されていたプリンスでしたが、カーティスメイフィールドにも影響を受けており、カーティスばりのファルセットヴォイスで、当時流行っていたブラックコンテンポラリー作品としてアルバムを完成させます。それも全部自分で演奏している訳ですから凄いものです。ファルセットコーラスのアカペラFor Youで始まり、センスのいいブラックミュージックが揃っています。ブラックミュージックとしてはヒットしましたが、まだ世界的には浸透していません。しかし、このファーストが唯一の純粋なブラコン作品ですので貴重な音源ばかりです。演奏力も見事で、天才としての自己顕示欲を見事に表現した作品とも言えます。ロックなギターもギンギンに弾いていますが、ブラックミュージックに留まっています。この後紆余曲折を通ってスターダムに登り詰めるストーリーが待っているのです。
Rock and Roll Hall of Fame
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