ディスク:1 1. Sign 'O' the Times 2. Play in the Sunshine 3. Housequake 4. Ballad of Dorothy Parker 5. It 6. Starfish and Coffee 7. Slow Love 8. Hot Thing 9. Forever in My Life ディスク:2 1. U Got the Look 2. If I Was Your Girlfriend 3. Strange Relationship 4. I Could Never Take the Place of Your Man 5. Cross 6. It's Gonna Be a Beautiful Night 7. Adore
このアルバムは何と言っても名曲Sign 'O' the Timesにつきます。独特の低音色を響かせるベースからなる見事なプリンスファンクです。時のサインとして、当時出始めたエイズをテーマにしていますが、これは普遍的な歌であり、現在の温暖化や各種ウィルスへの驚異としても有用な歌であります。Play in the Sunshineはお祭り騒ぎなノリノリのロックンロールです。この辺のつながりのなさがこのアルバムの特徴です。Housequakeはモロ政党的なファンクでありますし、Ballad of Dorothy ParkerやItはこの時期のラジカルなプリンスの姿勢にあった楽曲です。ドラムの加工音が半端じゃなく創り込まれています。サンプリングではないので、しっかりとした低音が出ていますので、現在のようにサンプリングでここ迄の音を出すのは難しいのではないでしょうか。
Starfish and Coffeeはポップな親しみ易い曲です。でもアレンジはサイケです。バラードのSlow Love。Hot Thingはサインオーザタイムと同じベース音の前衛的なファンク。Forever in My Lifeも同じ流れのアヴァンギャルドなファンクです。スティーヴィーワンダーのジャンルはスティーヴィーワンダーとでしか表現出来ないように、プリンスの音楽もプリンスというジャンルでしかないと言える境地に達しています。
節操がないのがU Got the Lookでシーナイーストンとデュエットしています。シーナイーストンと言えば商業音楽の最もたる存在で、パンク勢からは散々にやり玉に吊るし上げられる存在です。そんな彼女とデュエットするという事は、やっちゃったな、と認識しております。If I Was Your Girlfriendはこのアルバムを通して貫かれている独特のミディアムテンポのファンクです。Strange Relationshipは巷でも聴けるような曲ですが、ワウの使い方とかかなりベースをブースとしています。I Could Never Take the Place of Your Manで又毛並みが違うポップな曲になります。Crossはサイケでアコースティックな曲。ジミヘンかドアーズのようです。It's Gonna Be a Beautiful Nightはライブ音源のようでシーラEが大活躍しています。まるでP-FUNKパーティーのよう。Adoreはマーヴィングゲイのようなニューソウル風バラードです。この曲で終わる意味が良く分かりませんが、これが殿下が下した選曲なのです。