

2015年のアルバムで現在までの最新作になります。Thrill Jockeyに移籍したことにより知名度を上げました。前作から歌も披露するようになりましたが、それに加えてダブの手法にインスパイアされたエフェクト処理を多様するようになっています。それにより電子音のようなサウンド、ループのように反復するロングディレイ、リズムもパーカッションにより加わっています。
1. Holding Horses
2. I’m Kin
3. This Hammer Breaks
4. Salina Stars
5. Lighthouse
6. Soul Alphabet
7. Eclipse
8. Captain of None
9. I’m Kin Version
10. Captain of Dub
ダブはジャマイカにおける出張DJが既存のレコードにエフェクトをかけて盛り上げていた手法であり、それが後のヒップホップでのDJプレイに大きな影響を与えました。リミックスの概念を大きく変えて、原曲を大幅に変えても許されるようになりました。現在ではデジタルプログラミングにより、かなりコントロール出来る環境も整っていますが、今回、彼女は昔ながらのエフェクターを使用しています。
ハードディスクレコーディングなので、ある程度編集は出来る環境かと思われますが、昔ながらのエフェクターを駆使しながらも、テクノライクなサウンドを作り出しています。アナログなエフェクターでも極端に使用することにより、かなり攻撃的でデジタル感満載のサウンドになっています。結果的にはフォークトロニカのように聴こえますが、やっている事は結構レトロな作業になっています。古いと言っても80年代のエフェクターも多く、それらはデジタルエフェクターでしょう。しかし80年代感はありません。かなり挑戦的な作品になっています。
Holding Horses