2003年のアルバムです。ファーストは綺麗にまとまりすぎていましたが、今作では音が綺麗なままでも綺麗事では済まされないような表現も出来るようになっています。よくよく時代性を考えた時、この時期にDTMでこれだけの音を作れるような環境では無かったと思います。スタジオミュージシャンも起用しているのでしょうが、メジャーデビューという事もあって管理恵まれた環境で制作されていたのだと思われます。
1. パヴァーヌ
2. 朱雀の空
3. オール
4. 星のたましい
5. サンクチュアリ
6. ゆるぎない美しいもの
7. 幻惑の風
8. シャイン
9. 満ちる森
10. 思季
彼女が表現したい物語に対してサウンドトラックをこしらえているような作風、それがJ-POPな表現でいいのか疑問でしたが、アレンジの作り込み方からそれだけで終わっていないのがやっと伝わるようになりました。ここまでしっかりとした歌の構成などは日本独特のもので、起承転結が明確であり、しかも彼女の歌い方ちょっとアイドルっぽかたりするので違和感がありましたが、アニメやゲームのBGM的な表現だと思えばいいのであり、そういうジャンルから本格的なアーティストが出てきたという事でありましょう。
歌唱力があるわけでもありませんが、ボーカロイドみたいな歌だと思えば先駆的な存在だったのだと思います。ゴージャスなアレンジとひ弱な感じの歌がマッチしていないと思いますが、このスタイルを定着させるような開き直り感があります。プロフェッショナルな完璧なアレンジとアマチュア的な歌の違和感が逆に彼女のスタイルになってしまっています。アレンジにもう少し隙間というか、だらしないところがあったほうが歌には合っていると思いますが、この変な感じも日本独特のものであります。
パヴァーヌ