

2008年のアルバムです。王道フォークトロニカ、テクノ寄りな曲もポップ寄りな曲もありますが、全体的な感想は同じ事をやっていて、かなりクォリティーが高くなったという印象です。フォークトロニカの多くは手法にこだわって曲の良さは二の次になっていることが多いのですが、この人の場合は曲が良いですし、手法も卓越してきました。申し分のない完成度です。
1. Choanal Imperforation
2. Eustachian Tube
3. Not Yet 1
4. Kissing Disease
5. Meniere's Vertigo
6. Not Yet 2
7. Social Phobia
8. Vocal Cord Polypus
9. Not Yet 3
10. Panic Disorder
11. Scoliosis + Astigmatism
今作はインストが中心ですが、歌が聴こえてきそうなくらいにポップです。そこに適度な電子音が奏でられ、テクノの割合は若干少なめですがフォークトロニカだと認識できるようなバランスの良さがあります。この融合感は他にはないものであり、微妙ですが、このバランスセンスこそが個性だと思います。彼にしか作れない世界観を完成させつつあります。
あまりデジタル臭さは感じさせないようにしながらもちゃっかりデジタル処理されているという巧妙さ、あまりそういう事を考えずに作った作品が面白い結果になっている事が多いように思います。もっと自由にマイペースで創作活動した方がいいと思いますが、多作家故にいろんな引き出しを見せつける器用貧乏なミュージシャンなのだと思います。
Choanal Imperforation