

98年のアルバムです。エレクトロニカな作風になっています。電子音によるミニマルな組み合わせのインスト、エレクトロニカとして看板を掲げられるだけの内容になっています。それでも流石だなと思うのは、単なる打ち込みによる電子音では無く、生演奏している部分もあって、そこがイーノっぽかったりして、ありがちな感じのエレクトロニカにはなっていないところです。
1. All Of A Sudden
2. Surfacing
3. Sucker 4U
4. On The Brink
5. Zombie
6. By Turns
7. Ambush
8. 4U Version
9. Ghost Routine
10. What Machines Want
かなりクールでアシッドな感じになっていますが、楽器を演奏出来る人と出来ない人では違う発想になるという面白みがあります。出来ない人なら出来る人にはない発想があるでしょうし、出来る人なら打ち込みの仕方もこだわりを持ったやり方になるでしょう。彼らの場合は後者になります。ここでいう演奏する感覚とはレゾナンスの動きを作るという、アシッドテクノに良くあるやり方ですが、その感覚が楽器を演奏する感覚になっている事です。
ミニマル感覚があるので80年代の呪縛からやっと解放された感じがします。アシッドな手法を身につけながらもDJ感覚になっていないところが80年代からキャリアを持つ彼らの猛者ぶりを感じさせます。普通のテクノアーティストには作れないような感性。これならロックファンの入門編としても入りやすい内容になっていると思います。ロックファンと言ってもカンタベリー系が好きな人に限定されるかも知れませんが、テクノも悪くないと思わせる作りになっています。
All Of A Sudden