

2008年のアルバムです。ポップでフォーキーなプログレスタイルを貫いていますが、サンプリング、もしくはテープに録音した雑踏をノイズ処理したようなサウンドが加わっています。それでもテクノ的な処理ではなく、あくまでも効果音として使用しています。それにより
サイケデリックな雰囲気が生まれています。
1. Ragged Tint
2. Ahn
3. Sweep Generator
4. Golden Grin
5. The Loom Pedal
6. Ardoise
7. Physic
8. Modèle D'éclat
9. Idyll
10. Brown Bess
11. Cycle Disparaissant
12. A Woolgathering Exodus
13. Détruisons Tout
14. Loupe
15. Tapyre
16. Hesperus
アナログ感満載なのでローファイな感触がありますが、ノイジーに処理しているだけで劣化した音ではありません。ここが重要なところで、雰囲気作りとして最良の処理をしているのです。音がクリアで明確な輪郭を表現出来る時代になっていますが、それでは表現できない滲んだ感じを作り出しているです。これは最近のミュージシャンには無い感覚で、テープに録音していた頃に得られていたテープコンプレッション効果のようなものです。
人が生活している上で、耳には常に何かしらのノイズが入ってきます。なのでノイズレスな
音楽を作れる環境で作られた
音楽は逆に不安な気分にさせられてしまうのです。そんなにクリーンな音世界は存在しませんから違う世界にいるような不安感が生まれるのです。テープの時代にはテープヒスノイズのようなものが発生するので、懐かしいような気持ちになってきます。これはデジタル環境では生まれないものです。あえてノイズを含む音源を足すことでデジタル環境でも生理的に受け入れ易い
音楽を作るというのが最近の制作セオリーになっていると思いますが、それだけでは表現出来ないような懐かしさを覚える
音楽であります。
Ragged Tint