

2010年のアルバムです。打ち込みやデジタル機器も使うようになっていますが、それを全く感じさせないところが彼の特徴といえるでしょう。生演奏の部分が大半を占めているので、逆に打ち込みは目立つものですが、そこをぼやけさせる技術を持っています。日常の情景を録音したものをサンプリングに通してシンセサイズさせている手法はフォークトロニカでは定番ですが、このアナログ感は彼にしか作り出せないものです。
1. Purse Discusses
2. Sault
3. RTO
4. Gloss
5. Tie
6. Shouting Distance
7. Fluoresce
8. Lasted
9. Weird Door
10. Ailleurs
11. Passenger
12. Tack & Tower
13. A Coin On The Tongue
14. Nod
トラッドフォークをベースにしたプログレっぽい楽曲。
サイケデリックなアンビエント処理。曲がしっかり作られているのでどんなにノイズをペーストしても負けていません。もっとデジタルっぽさを出した方が売れると思いますが、そうしないミュージシャンが今でもいる事が嬉しくなります。今風のサウンドがそれほど良いと思っているのですか?と言いたくなるくらい心地良い音があるのです。
みんなと同じような音が正義ですか?ヒットチャートに出てくる
音楽が正解ですか?最新のシンセにプリセットされている音源が間違いないですか?心が動かされる
音楽って、そこから切り離して探さないと見つからないのが現状だと思っています。昔よりも今は音が良くなっているのは間違いありません。だからと言って心の琴線に触れるような
音楽を作っている人がどれくらいいるでしょうか。長渕剛のように脳みそが筋肉で出来ている人には決して作れない良質な
音楽って存在するのです。そう思わしてくれる作品です。
Purse Discusses