2011年のアルバムです。前作よりも更に進化したサンプラー手法で仕上げられています。要領が良くなったというか、自分なりのスタイルを確立したような無駄のない仕上がりになっています。手法としてはビッグビートと同じフレーズサンプリングの組み合わせなのですが、レコードからのサンプリングにこだわっていた90年代のビッグビートとは格が違います。
1. You Can Count On Me
2. Tomboy
3. Slow Motion
4. Surfers Hymn
5. Last Night At The Jetty
6. Drone
7. Alsatian Darn
8. Scheherazade
9. Friendship Bracelet
10. Afterburner
11. Benfica
生で歌った方が簡単ですが、生歌をサンプリングしてループさせる事で同じ事の繰り返しによるダレた感じを出さない。情感は持っているのに感情の高ぶりによる抑揚とは違う抑揚をもたらすと言う不思議な空間を生み出しています。ビートやもろ打ち込みのシーケンスが入っているのも今回の特徴で、これによりフォークトロニカっぽい演出になっていますので、世論の評価も更に高くなっています。
曲調もコーラス隊が歌うような曲調で、一般的なポップソングよりもアカデミックな雰囲気もあります。一人賛美歌みたいな、もっと庶民的ですが、他にはないアイデアが詰まっていますが、全く前衛的な違和感を感じさせない素直な
音楽 に留めるという並外れたセンスが素晴らしい。普通に聴き流すと普通の
音楽 でありますが、普通に演奏して出せる
音楽 ではありません。この分かりにくい微妙な感じが判る人にしか評価されにくいかもしれませんが、理屈抜きにも楽しめる
音楽 という事でポップソングとしては満点の出来上がり、奇跡のような他に類を見ない名盤です。
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