2016年のアルバムです。シリーズ第三弾ですが、今回は三たびTapeとのコラボレートになっています。このシリースはコラボレート無しが売りでしたが、この作品だけ掟破りのコラボレートを敢行しています。Tapeとは相性のいいセッションを繰り広げていましたが、3度も同じことを繰り返すわけにもいきません。それでもしっくりくる着地点を素直に表現してきました。
1. 違相
2.
音楽はある
3. モンキ
4. Papa
5. 夜は眺め
6. レクイエム
7. なんじゃもんじゃ
8. トーマス・アザラシ
9. ダブル・アンドレアス
10. ヨハンのご飯
11. すっからかあん
サイケデリックフォークな曲調にブルース的な歌い回しを加えて、ダイナミズムのある
音楽を生み出しています。叫んだりするタイプではありませんが、叫ばないだけに祈りのようなブルースになっています。黒人の虐げられてきた歴史の中で生み出されたブルースも、日本の民謡のような、童謡のような感覚で歌われると独自の世界が広がっていきます。
ほのぼのとした雰囲気の中にもエネルギーを感じさせる
音楽。それがTenniscoatsの特徴かと思います。歌うという行為はエネルギーを必要とする行であって、音程をキープするという行為は日常的な行為ではありません。しかし人は歌うのです。エネルギーを絞り出しても歌うのです。それは言葉を伝えようとする以上の表現であり、労力であります。それだけ抑えきれない感情を人は心に秘めて暮らしているのです。
違相