

2005年のアルバムです。アコースティック楽器と電子音を融合させるフォークトロニカらしい内容ながら、生演奏にこだわり、打ち込みレスなフォークトロニカらしからぬスタイル。しかしラップトップでエディットすることにより、即興性がありながらも無駄を排した
音楽に仕上げるという、近代
音楽のあるべき姿を示したスタイルになっています。
1. Sunrefrain
2. A Spire
3. Sand Dunes
4. Exuma
5. Long Lost Engine
自分達で生演奏した音源をラップトップで編集するやり方を極めて、全体をそのまま再現するのでは無く、幾つかの小節でカットアップしてループさせる。ミニマル的な編集になっています。淡々とフレーズをリフレインさせる浮遊感を大事にするようになったので、曲も長めになっています。ジャズもフォークもポップスもロックもテクノも融合させるという意味ではプログレッシヴロックの現代版になっているのではないでしょうか。
フォークトロニカというイメージで聴くと不思議な感じがすると思います。演奏している側にとてはそういう意識は薄いのではないでしょうか。だから一般的にイメージしているものとは違う
音楽に出会ってしまう。彼らにとってはプログレッシヴロックを作っているようなもの、しかし、形式美に囚われたプログレとは違って、プログレが本来持っていた既存の
音楽にはないものを作ろうとする野心を持った。本来なら王道のプログレなのだと思います。
A Spire