2015年の作品です。この年3枚のアルバムをほぼ同時にリリースしていますが、どれも違ったアプローチをしています。今回のテーマはダブテクノとなっています。ダブのエフェクティヴな手法でエレクトロニカしています。以前のサイケな表現とは違うアプローチになっています。エフェクトをいじりまくってその変化を楽しむダブの手法はテクノにも受け継がれていますが、あえてダブテクノと呼ぶところにこだわりを持っているようです。
1. Vocal Limited
2. Frontal Waves
3. Dubstore Light
4. Childish Tape
5. Black Hat
6. Sunny Echoes
7. Spacecore Dust
8. Bright Exit
9. Dream Logic
ダブでよく使われるのがディレイとフランジャーですが、テクノの時代になるとシンセのレゾナンスを主導でいじくって似た効果を出すようになります。そのテクノミニマル性とディレイやフランジャーといったエフェクトの効果を加える事で、新しいエレクトロニカを作り出そうとしています。あくまでもエレクトロな部分が主役です。
変わり者のリチャード・D・ジェームスが失速している現在、過激な手法を試みるアーティストが見当たらなくなっていますが、地味ながら、彼のように試行錯誤しながらも新しい何かを追求するアーティストがいる事は喜ばしいことであります。やはり
音楽はオタク系の人でしか極められません。じっくり時間をかけて家にこもって創作している人でなければ見つけられないものがあります。その逆もあるでしょうが、そこには天才の二文字が必要になってきますので、なかなか現れません。
Vocal Limited