2011年のアルバムです。歌うようにピアノを弾くというテーマで作られています。ピアニストとしての自分と向き合った作品と言えるでしょう。ピアノが中心ですが、荒木真のサックス、白澤美佳のバイオリンがフューチャーされている曲もあります。これまでのミニマルな作品では見せてこなかった、ちゃんとピアノが弾けることを証明した作品とも言えます。
1. Fleur
2. Gray
3. Larmes
4. Mirage
5. Singing Birds
6. Noel
7. Nocturne
8. Pluie Froide
9. Fragile
10. Lete
11. Light Dance
12. My Safe Place
音楽的にはニューエイジミュージック的なネオクラシカルでポップな曲調になっています。ですから複雑な技巧派なプレイはありませんが、歌うようにピアノを弾くという点では見事な演奏を聴かせてくれています。全て生演奏、おそらくオーバーダビングも無しでしょう。大倉山記念館という場所でレコーディングされており、残響音の録り方もしっかりマイク処理されています。
作曲家としても良い曲を書いていると思います。シンプルではありますが、それだけ親しみやすい
音楽だと思います。90年代には若手女性ピアニストがアイドルのようにレコードを出していた頃がありましたが、その感じに似た雰囲気があります。クラシックの分野で一流になるのは難しいですが、ポップフィールドに出てくると上級クラスの演奏家となりますから、後は感性があれば成功する道もあるのです。彼にはそれだけの感性があると思います。
Fleur