2003年のアルバムです。Eatingの続編ですが、ピアノだけではなく、室内楽的な楽器をサンプラーで構築したネオクラシカルな内容になっています。徐々にリズム系ジャズ的になりスウィングしていきます。今回は生演奏の部分がわからないくらいサンプリング色が強いのですが、既存楽器の音源ばかりで、微妙にタイム感をずらしたりしたプログラミングになっているので、プログラミング感も部妙なのですが、機械的な不自然さもあえて演出しています。
1. Early Summer
2. Casa Blanca
3. Botanica
4. Wolcalosso
5. Trinidad Bird
6. Gelnia
7. Bounce
8. Ice Shadow
9. Venetian Red
10. Enceol
11. Cerulean
12. Shing Morno
13. Guinacridone
14. Joy
今回は花の名前のタイトルが中心で、花を食べるのか、花が食べるのかという疑問を持ちながら聴くと楽しいかもしれません。現代
音楽の初期の頃はクラシックとジャズの融合というのが流行っていました。ヨーロッパ圏の人たちにとってジャズは未知との遭遇だったのです。そこからジャズをオーケストレーションしていくというアレンジが確立されていきます。クラシック理論では収まりきれないジャズを肯定化する為に生まれたのがジャズ理論です。ジャズ理論が確立化された事で現代のポップスへと発展していきます。
そういう意味ではこれも現代
音楽的解釈だと思いますが、そこにデジタルな手法、トロピカルな味付けなどが加わり、以前の現代
音楽とは違う独自のスタイルを提示しています。非楽器な音源も既成楽器の音源も彼にとっては同じ扱いであって、マニュピレーターとしての技術の高さ故の作品となっています。技術が高くても
音楽的な発想が乏しければ意味がありませんが、その両方を持ち合わせています。
Early Summer