2013年の作品です。これまではTypeレーベルからのリリースでしたが、ここからは自身のレーベル Miasmahからのリリースになります。Black Tie、White Noiseと言えばデヴィッドボウイの作品を連想させますが、影響を受けていないという事は無いでしょう。この退廃感、ベルリン時代のボウイを思い浮かべてしまいます。
1. Black Tie
2. White Noise
手法は以前の頃と変わりませんが、チェロやベースなど、使用している楽器が違っています。White Noiseにおいてはシンセサイザーを使っているので、アンビエント感が増しています。以前のやり方、最近のやり方が同居しています。アンビエント感が増している分、激しさは薄れていますが、暗黒アンビエントとしてのイメージがより固まっています。
ダークなサウンドではありませんが、以前のような絶望感は薄れているように感じます。どこか、この地獄が居心地がよくなっているような、地獄ですら住めば都的な悟りに近い感覚を持った作品になっているように感じます。そもそも地獄が良く無いというレッテルは誰がつけたものなのでしょうか。天国が素晴らしいものだなんて誰がつけたレッテルなのでしょうか。先入観だけでは真実は見つけられません。物心がついた頃の私の最初の意思決定は、先人が植え付けた既成概念の払拭から始まりました。他人が勝手に決めた事に対する反抗心が旺盛だったのです。それこそがロックスピリットだと思います。
Black Tie