2005年のアルバムです。今回は場所を特定してサンプリングした素材で曲に仕上げるというコンセプトアルバムになっているので、とても分かりやすくなっています。テニスやサッカーなどの実況中継をサンプリングして、その素材だけでポップな曲に作り上げる、彼の手法が分かりやすく伝わってきます。
1. Tennis Court
2. Pool
3. Soccer Feild
4. Yoga Studio
5. Ice Rink
6. Squash Court
7. Music Room
8. Dance Studio
9. Dojo
10. Daycare
11. Weight Room
12. Basketball Court
ブレイクビーツの暗黙の了解として、一つの素材をサンプリングして、それだけで1曲を作り上げるという定義がありました。一つの素材で何処まで創り上げられるかを競っていたのです。
音楽の完成度としては複数の素材を使った方が面白くなりますが、昔はサンプリング編集技術を競い合っていたのです。
音楽としての完成度よりも、偶発的に出来上がるものを良しとしていたのです。ですから革新的なサウンドが出来上がったのも事実ですが、それはあくまでも黎明期の話です。
最新の機材を使いながらもその黎明期に戻るという事で個性的な
音楽を作るのが彼の特徴になっています。ですからあえてマルチサンプリングにはしない。テレビ放送を録音したものや、その場所に行って録音した素材を特定したタイトルがつけられているので素材が明快です。その場所の雰囲気もはっきり伝わるようにしながらも、その非楽器な素材でポップな曲に仕上げる、マルチサンプリングじゃ無い分、音程がしっかりついているという特性故に出来る技であります。
Tennis Court