2010年のアルバムです。アメリカはポートランドに住むThomas Meluchの一人プロジェクトですが、フィールドレコーディング等を加工して、アンビエント、シューゲイザー風な部分が強調されるようになっています。アコースティックギターだけでは無く、エレキギターも弾きながら、トラッドフォークをよりプログレッシヴにした曲調になっています。
1. Purse Discusses
2. Sault
3. RTO
4. Gloss
5. Tie
6. Shouting Distance
7. Fluoresce
8. Lasted
9. Weird Door
10. Ailleurs
11. Passenger
12. Tack & Tower
13. A Coin On The Tongue
14. Nod
バックアレンジはプログラミングっぽさを払拭して、バンド演奏っぽいアレンジになっています。そうする事によってアンビエントでエフェクティヴなサウンドとフォーク調な楽曲の対比を明確にしています。ソングライターとしてだけでも素晴らしい曲を書いていますが、それを独自のサウンドメイキングするコンセプトも徹底しています。
XTCとニックドレイクを混ぜ合わせたような弾き語りで、テンションな音程で歌っているので浮遊感があります。そこにエフェクティヴなサウンドを当てはめる事によって混沌としたサイケ感を演出しています。そのサウンドエフェクトを過剰だと感じさせない空気感、インディーズにとどめておくにはもったいないほどの才能に溢れています。ヒット性は持っていないとしても、このダウナー感は多くの支持を得られると思います。
Purse Discusses