

85年の作品です。渋いサザンロックバンドからイメージチェンジして前作から大成功したZZ Topの最大のヒットアルバムです。80年代サウンドを取り入れたブギも様になり、ついにはサンプラーまで導入。シンセドラムからシンセのバッキング、シーケンスまで容赦なく80年代サウンドになっています。曲もポップになっていて、今までのアレンジでも充分ヒット出来るくらいいい曲を書いています。出来上がるアレンジを想定するとこういう曲が出来上がるのかもしれませんが。
1. Sleeping Bag
2. Stages
3. Woke Up With Wood
4. Rough Boy
5. Can't Stop Rockin'
6. Planet Of Women
7. I Got The Message
8. Velcro Fly
9. Dipping Low (In The Lap Of Luxury)
10. Delirious
MTVの力が絶大だったと思いますが、MTVを利用してもヒットを出せなかったバンドもいますので、このバンドの制作スタッフも含めての大勝利と言えるでしょう。Can't Stop Rockin、Sleeping Bag、Stages、Delirious、Rough Boy、Velcro Fly、Woke up With Woodと7曲ものシングルヒットを出しています。大胆に80年代サウンドに変貌していますが、それまでの功績もあって、この変身を悪く言う評価はあまり出なかったと思います。それだけ彼らのキャラクターも定着していたのだと思います。
昔の作品の方がロック的にはかっこ良かったと思いますが、少しコミカルな感覚で、彼ら自身をデフォルメしたサウンドになっていて、憎めないくらいにいつも通りのブギをかましています。シンセが無いアレンジで演奏したとしても充分ギターロックとしても成り立つので、ライブでも盛り上がった事でしょう。少しオーヴァープロデュースぎみですが、このくらい徹底したサイージェントペッパー的なアルバムはバンドに一つは欲しいものです。それを軸に他のアルバムも再評価されていきますから、重要なアルバムだと思います。80年代サウンド嫌いな私でもこのぐらい徹底している作品は良い評価と印象を持ちます。あまり売れた作品につけたくありませんが、名盤の評価は一応つけておきましょう。
Sleeping Bag