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[20190323]

Glider
(1998/07/14)

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2015年のアルバムです。前作から6年のインターバルを経ていますが、その間にかなり作曲能力と表現力を磨いています。フォークスタイルにA.O.R.的な要素を加えながらジャクソンブラウン的なバラード系に統一していますが、表現力が増しているので単調にはならずに心地良く聴き通す事が出来ます。

1. Up In The Pine
2. Mama Shelter
3. Fall Hard
4. Wyoming
5. The Sentiments
6. A Call For Distance
7. Desert
8. Glider
9. All For A Love

アコースティック楽器にこだわらず、エレキギター、シンセなどバンドスタイルのアレンジなのですが、彼女の歌を中心にアレンジされているので、控えめに雰囲気を大事にしたアレンジになっています。今回も弟のPeter Broderickがプロデュースしていますが、彼もかなり感性を磨いてきたと見られます。全体的に統一感を持った空気感を演出しています。全曲バラードなのですが、退屈に感じ無いというのは、繊細なアレンジと表現力によるものだと思います。

これまでの6年間の間に自分のスタイルを確立するのに努力してきたのでしょう。売れていれば、その過程にある作品も聴けたと思いますが、そこはインディーズの厳しいところでしかたありません。納得のいく作品を作るのに時間をかけていたとも思えます。やっている事もサウンドも新しいものはありません。70年代、80年代くらいの感じを現在の機材で作っています。しかし、自分のスタイルを確立させた事で、新しさとか古臭さとか関係無い作品に仕上げています。

Up In The Pine
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[20190322]

From The Ground
(1998/07/14)

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アメリカのシンガーソングライターHeather Woods Broderickの2009年のファーストアルバムです。弟のPeter Broderickがプロデュースして演奏でもバックアップしています。彼女自身もピアノ、ギター、チェロ、フルートとマルチな演奏をしています。曲調は普通にフォークソングですが、フィールドレコーディングやシンセなどが加わり、なんとか単純なフォークソングでは終わらないようにしています。

1. Something Other Than
2. Cottonwood Bay
3. From The Ground
4. The Colors
5. For Misty
6. Wounded Bird
7. Back Room
8. Left
9. Turned
10. Old Son

歌声はウィスパー系でカントリー的な節回しも無いのでピュアなフォークソングとして楽しめると思います。ただそれだけだと何の特徴も無いので、弟が様々なサウンドエフェクトを付けてくれているという感じになっています。基本弾き語りで完了するような曲調で、自分でオーバーダビングしているので、アレンジも控えめです。その分エフェクト処理で空間を埋めている感じです。

お金も無いので豪勢なアレンジは付けられませんが、不足している事で個性を生み出すのがロックのセオリーですから、そこは工夫次第という事になります。そこにフィールドレコーディングというのは安直過ぎますが、インディーズでのファーストアルバムとしては許せる範囲です。一番の魅力は歌声だと思いますから、それをどれだけ活かせるかが課題だと思います。五万といるアメリカンシンガーソングライターの中から浮かび上がるには少し力不足です。

Something Other Than
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[20180828]

Yura Yura Yureru
(1998/07/14)

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日本人女性西山豊乃の本人名義による99年に残された唯一のフルアルバムです。後に一人プロジェクトGutevolkを名乗る事になるのですが、この時点でも類まれな才能を発揮しています。フランス語や日本語で歌っていて、シャンソン、ボサノヴァ、ジャズなどをアンニュイにエレクトロポップに仕上げています。

1. 六月の散歩
2. L'Été
3. イロノプリズム
4. Je, Peux, Te, Voir
5. ひまわり
6. ユレテル・ウカンデル
7. Foot Fall #1
8. ヨル・トリ・カゼ
9. なしのかたちの曲
10. ホシノオト
11. ソファミ
12. Foot Fall の主題による変奏曲
13. よるのうた

一人打ち込みによるアレンジにしても、相当の知識とセンスが無ければ、これだけのものは作れません。90年代後半からサンプリングミュージックに疲れていたアーティストが電子音によるエレクトロニカを作る事が多くなっていて、それは日本のインディーズにも影響を与えていました。当時の日本のインディーズには独特のアンニュイな雰囲気があり、それにエレクトロニカな感覚が新たな可能性を与えています。

生演奏、生楽器の使用など、完全にエレクトロニカにはなっておらず、ほのぼのとした柔らかなサウンドでありながら、ジャズのインプロビゼーションな感覚のアレンジなど、一癖も二癖もある素晴らしい内容になっています。それをシンプルにポップにまとめる才能は日本人離れしています。日本のインディーズのみに埋れさせるわけにはいかない才女です。

L'Été
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[20180721]

Etch & Etch Deep
(1998/07/14)

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2015年のアルバムで現在までの最新作になります。まだアルバムとしては2枚しかリリースしていませんが、これにて世界デビューとなり、人気も徐々に上がってきています。トラッドフォーク、エレクトロニカに音響派な側面も強調されるようになってきました。これはヴィンテージランプを使ったステージをより効果的に演出する為の進化だと思います。

1. Bleak and Beautiful (All Things)
2. You Dance a Particular Algorithm
3. Hearts Not Parts
4. Divided By Surfaces and Silence
5. Doing Better
6. Things Were Happening and They Were Strange
7. Becauselessness
8. Skip To The End
9. The No-Colour of Rain or Dust
10. Foreign Pollen

フォークトロニカにも様々な形がありますが、デジタルサウンドとアコースティック楽器が見事に、幸福な形で結ばれた形になっていると思います。相反するようなデジタルとアナログの組み合わせの違和感を楽しんでいたフォークトロニカですが、彼女たちがやっているのはデジタルもアナログも音楽として馴染みあっています。違和感ではなく共存なのです。

何でもありの時代、偏ったスタイルの方がファンも付きやすかったりしますが、これまでの音楽の歴史を取りまとめて尚先に進もうとする若々しさに満ちています。インスト曲なのにこの親しみやすさはどうでしょう。愛情、幸福感に満ちています。21世紀にあるべき姿を提示しているようにも感じます。末恐ろしい才能に満ち溢れた三人の才女が作り出した歴史的名盤だと思います。

Bleak And Beautiful (All Things)
⇒ 続きを読む

[20180720]

Tricolore
(1998/07/14)

Haiku Salut商品詳細を見る


イギリスの女性トリオHaiku Salutの2013年のファーストアルバムです。メンバーはGemma BarkerwoodとSophie Barkerwoodの姉妹とLouise Croftの三人です。アコースティック楽器の生演奏にも長けていますが、デジタルプログラミングにも長けている、フォークトロニカという立場で制作しているので、どちらかに偏ったものにはなっていません。

1. Say It
2. Sounds Like There’s A Pacman Crunching Away At Your Heart
3. Leaf Stricken
4. Los Elefantes
5. ||: Lonesome George (Or Well, There’s No-one Like) :||
6. Watanabe
7. Haiku Interlude #1
8. Six Impossible Things
9. Rustic Sense Of Migration
10. Glockelbar
11. Train Tracks For Wheezy
12. No, You Say It

日本語のHaikuとフランス語のSalutを組み合わせたバンド名からも、結構オタクな三人という印象を受けます。自分達の音楽をバロック-ポップ-フォークトロニック-ネオ-クラシカル-的な何かと表現しており、何か、という表現が、まだ出会っていない何かを生み出そうとしている意思を感じます。実際にトラッドフォークのようであり、クラシック音楽のようであり、エレクトロニカのようでもありますが、それまでに全く聴いた事の無いようなオリジナリティに溢れています。

ライブでは音楽に合わせて光るようにプログラミングされたヴィンテージランプを使ったり、視覚的な演出も行なっています。女性ならではの柔らかな発想、男性には無い感性を持ち合わせながらも野心的にアイデアを駆使した挑戦的な姿勢を持っています。音楽的にはトラディショナルな親しみやすさを持っているので、どんなに奇抜なアイデアを表現してもポップさを保っていますので、誰からも愛されるような音楽になっていると思います。

Sounds Like There’s A Pacman Crunching Away At Your Heart
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